白シャツを恋い慕う

つれづれなるままに…おたく

美形と金髪と軍服と。

前の記事の続きのルドルフ編です。

ルドルフだけを別記事にしたのにはいくつか理由があります。

エリザベートは多分DVD、CD見たり聞いたりを重ねて、宝塚版なら粗方空で口に出すことが出来ると思うのですが、そんな風になったきっかけがルドルフだから。

そして、ルドルフが今回片方ジャニーズなので何らかの間違いでこれを読む人がいたとしたなら大抵ミュージカル畑の人よりジャニーズ畑の方だと思うので、必要情報は分けておこうと思っています。流石に。

この記事のベースをツイートした時もジャニーズファンの方には反応されて若干びっくりしました(笑)

ただあくまで主観ですので深く考えないでください。

 

ルドルフは考察も記録もしない高校生時代にあの闇にひかれて以来、ずっと無条件で好き。

初演から生でとかという程古株ではなく、まあそこそこ見ているぐらいですが。

ただ、初DVDは凰稀さん、生は明日海さんという宝塚の中でも美形ルドルフをみたので、エリザベートのルドルフは美形で儚いものだと思っている節があります。だからか歌で成立させてきた人がいるのは今になるとわかるけれど、幾つかスルーしてきてしまいましたが。(勿論DVDがあればみています)

今回に関しては、役者が出てビジュアルがそろった段階から、美形ルドルフを心待ちにしてきたので歌・芝居が酷かったら相当落ち込んだと思うけれど、W両方クリティカルヒットでした。

やっぱりルドルフの正解は金髪だと思ったので、これからは出来るだけ取り入れてもらいたい。宝塚版でも是非!

 

 

※宝塚版との違いと変更点

(いつも気づいては忘れるので、次の観劇や再演時に役立つはず)

・フランツとの会話、HASSの有無。

宝塚版(以下多分あっているはず)

「父上、なぜお分かりいただけないのですか?このままではハプスブルク家は倒れる。古い帝政を廃し、新しいドナウ連邦をつくる。諸民族を抑えるにはこれしか方法はありません」

「ルドルフ、お前はいつから急進派の手先になったのだ。よりによって皇太子からそのような言葉を聞こうとは。私が生きている限りハプスブルク600年の歴史は途絶えさせない」

「父上!」

「考えを改めないのなら皇位継承を考え直さねばならんぞ」

東宝版 母に対しての思いやルドルフの思想が明確に分かる。

皇后の務めに合わせてフランツが力説するが、

「私を監視するのはやめてください」

「よく見てください」

(台下で民衆が踊っている)

父を批判する文章を書いたルドルフと「私の帝国で諸民族は平等だ」というフランツ、ママと同じ考えを持つことがいけないことか?ともルドルフは言っている。

ハーケンクロイツの旗を引っ張って次へ。

・闇が広がる

宝塚版闇が広がるはトートが高音、ルドルフが低音。

銀橋にいって終わる演出も振り付けもいつも一緒。

東宝版闇が広がるは前回までトートが低音、ルドルフが高音。

今回はAトート高音Bルドルフ高音Cワンフレーズ交代に変更。

・独立運動

宝塚版

ルキーニ「見覚えのある店でしょう?」(歌は多分同じ)

ハンガリー国王!」とルドルフが言うと

ルドルフが描いた理想の未来図みたいな幻が出てきて、エリザベートが踊る時(戴冠式)か三色旗の衣装をきて微笑んでいる。

銃声で現実に戻り、エルマーを助けてつかまり、顔で殿下とばれる。

「これがハプスブルク家の後継者のしたことか」

「父上、私は!」

「もう何も言うな、聞きたくない。事件は内密に処理した。だが、皇位継承は難しいぞ」

東宝版 

王冠をかぶせてもらったりする演出はある。冒頭のルキーニの言葉が違う。

怪我をしたエルマーたちが見つかって、順番に名前を聞かれる。

「姓は?」「ハプスブルク

フランツとのやり取り(言葉は違うが内容は宝塚版と同じ)で蟄居を命じられる。

「父上ー」

・僕はママの鏡だから

宝塚版

「ごめんなさい、ルドルフ」

「陛下には頼めない あなたはもう大人 その手で解決出来る」

「おやすみなさい」

ルドルフ「もうこれ以上生きるあてもない」

東宝

「鎖はたちきらねば 陛下に頼めない あなたのためだとしても」

ルドルフ「ママも僕を見捨てるんだね」

(ごめんなさい、現在はおやすみなさいもない)

シシィが自分たちの関係を「鎖」と表現しているのが、とても重い。

・マイヤーリンク(死の舞)

宝塚版はルドルフが銃で頭を撃ち抜いてから、トートがルドルフの唇を奪ってせり下がり。

東宝版はルドルフからトートにキスしてから、自ら子供の時使った銃で頭を撃ち抜きトートダンサーに棺桶内に運ばれる。

銃が子ルドからつながるモチーフとして描かれている。

 

衣装

宝塚版は途中から青から紺に変化して最近はシンプルな青に戻ってきた。

東宝版は前回と青のトーンは変わらないもののボタンやラインがじゃらじゃらと増えている。

 

 

※古川ルドルフと京本ルドルフ

 

二人の第一印象は宝塚の男役のような出で立ちなのにアプローチに新鮮味のある京本ルドルフと立派な男性なのに役作りとしては宝塚版での既視感がある古川ルドルフ。といった感じ。

まるで別物をみたという印象が強い。

(ちなみに前回古川くんは見た記憶がない。多分敬遠したので、ごめんなさい)

 

古川ルドルフ。

フランツに対して同族嫌悪のような明確な線引きをしていて、二度と関わることはないだろう…僕は帝国を変える!というような思いがみえるし、本当に変えるのではないかと思わせてくれた。

闇が広がるを歌う前から闇を抱えているルドルフだと思う。

なので、革命が失敗して捕まるときもその先に想像しうる出来事を恐れていない。どうなるか分かっていて自ら受け入れているような気さえする。

エルマーが捕まった時はトートを見て止まったし(止められていた?)名乗ることに臆してない姿は更に闇が深かった。

救えない闇が既にあるような気がした。

フランツに似たタイプというのはさておき、闇を全て抱え込み生きる役作りはこの美貌だから成り立つのだなと思っている。

古川ルドルフの場合、幼き頃にみた母の面影だけを追い求めてきたのだと思うし、立派な青年に育ちながらも母さえいれば…と思う根底だけがずっとあった気がする。

母の面影を頼りにずっと孤独を生きてきて、母に一度でも背を向けられたらそれは死に値するという価値観のルドルフなのかな?

もはやシシィを偶像崇拝していそうなぐらい、古川ルドルフのシシィに対しての思いは深いと思う。

死の部分は、死ぬ時がついに僕に訪れたんだ…っていうようなゆっくりとした分かりやすい決意がみえる。死を恐れていないようにみえて、実は恐れていたのかもしれない。

死に方は頭が吹っ飛ぶぐらいに豪快だったけど、踊りも含め中身は繊細で脆い人にみえる。

古川ルドルフは母が根底にあるルドルフだから「僕はママの鏡だから」がメインテーマだと思っている。

だから、花總シシィとのママ鏡は楽しみでしかない。血縁的にも剣→花總田代という血をひいていそうなロイヤルなルドルフだった。

この役の解釈を書きながらなんてアーサー・コピット版ファントムの出来そうな方なんだ…とも勝手に思いました。

 

 

京本ルドルフはひ弱な少年期から成熟した青年になる途中という印象。

外見こそ、すぐに折れそうな脆さがあるけれど、中身は母の血を受け継いで感情の起伏が激しいイメージ。

個人的には蘭乃シシィの血筋な印象。

フランツとの対立からというより、母の血は争えず同じ思想をもったのかな?という印象を受けました。

自分でもその思想と革命の先になにがあるのかは理解していなくて、物語の中で深い闇に落ちていく過程が見えると思います。

革命が失敗して、エルマーが見つかった瞬間にもう、だめだ…を全身で表現して虚ろ気味。ひ弱な皇太子の姿がそこにはあって、噛み締める「ハプスブルク」の悲しい表情に目を奪われました。

だからこそ、根はひ弱な少年期のまっすぐな子が、両親や周囲の大人に見捨てられていく。というイメージがあります。

ルドルフにとってママが大事なのは確かですが、京本ルドルフはもっと違う生き方をしたら救えたのかもしれないという哀しさがみえる。

多分、「ママも僕を見捨てるんだね」のママものもが色んな人に見捨てられた感を出しているのかもしれないとも思います。

死ぬ間際も、死を今まで考えたことのないルドルフが怯えながら一思いに僕は死のう!というエネルギー感でトートに迫るのに、同時に恐怖感も持ち合わせていて銃を撃つのがゆっくりで、古川ルドルフに比べると恐る恐る引き金をひいているような印象を受けました。

彼の場合、本当に曲によって闇が広がっていくのが見えるのと単純に声が闇広高音にあっていたのもあり「闇が広がる」がメインテーマのルドルフだなと思います。「僕はママの鏡だから」の歌い方が台詞チックでこれも初めてのアプローチかも。

こちらのルドルフはジャニーズとしても勿論みていますが、死ぬ役が本当に似合うのでフランス版ロミジュリのロミオをみてみたい。思っていたより高音が綺麗で、「僕は怖い」を聞いてみたいなと勝手に思いました。

 

 

※子ルド

幸運なことに3回で3人見ることが出来ました。

上手い下手をとやかく言うつもりはなかったのですが、松井月杜くんの歌の上手いこと!!とても繊細に歌い上げてくれて、涙するところでした。

松井くんの日に古川ルドルフだったのですが、この成長の仕方はすごく納得がいきました。表現の仕方が似たタイプに感じました。

 

※後半戦に向けて

古川くんの美貌と後1組で闇広コンプ!という勢いに任せて追加を試みたので、あと1回で闇広を全種類見ることになります。現状歌としては井上トート×京本ルドルフが一番パワーがあったように思いますが、あと1組でどう印象が変わるのか楽しみです。

ママ鏡の花總さんとのやり取りも楽しみで、特に古川くんは花總さんとの組み合わせの方が良いように思うのです。

京本くんはアプローチを変えてきたようでそれも楽しみです。

後はやっぱりマイヤーリンクかな?

ブログタイトルにもしてしまったぐらい白シャツが好きなんです!大好きなんです!

二人の違いのところには書いてないのですが、ここ振付が確かに違うんです。京本くんのシェネ3回転を古川くんはしないで、踊り続けています。(多分)

シャツの開襟具合も違って(これは役作りというより中の人の見せ方の違いかな?とは思いますが)古川くんは結構開けていて、京本くんはぴっちり。

キスシーンからのラストはいつも血が煮えたぎっているような感覚でみています。

ジャニオタ的にいうとリアデラかかるときたー!!!ってなるあのような感覚に近いです(笑)

 

 

とりあえずまとめてみたら、自分が気になっていたことと忘れていたこと、これから確認したいことが発見できて、大満足。

演出比較部分は見て分かったことがあれば随時書き足すと思います。