白シャツを恋い慕う

つれづれなるままに…おたく

1789つれづれ

4月、5月にわたり計4回東宝の1789を観劇してきました。

もう少し公演期間が長かったら。とか4月でなければもう少し通えた気もしますが、それは仕方ないこととして。

一言でいうならキャストのビジュアルと楽曲がとにかく良い作品でした。

 

9日プレビュー 小池 神田 花總 万座 鈴木

10日プレビュー 加藤 夢咲 凰稀 斎藤 大河原

17日マチネ 小池 神田 花總 万座 大河原

5月

10日ソワレ 加藤 夢咲 花總  万座 鈴木 ☆

 

パンフによると1人シャルロットちゃんに会ってないみたいで、残念。

5月10日のキャストがMYベストキャストでした。オランプについては全然どっちでも構わないのだけれど、ロナンとアントワネットは固定したいかなという感じでした。

 

ざっくり作品・演出についていうとフランス革命を一庶民の視点から描いた作品。ベルばら、スカピン(今年秋上演決定!是非ご覧ください!!)などを繰り返し宝塚で見てくると、忘れがちになる一平民であるロナンが生きたフランス革命のお話でした。

ストーリーはフランス版を見ていないのであれですが、宝塚版同様作りこみが浅い印象。エンターテイメント性重視の良くも悪くもイケコらしい作品でした。

楽曲、メロディラインがとてもきれいなのと、衣装の重厚感はよかったです。

見終わった後にフランスの「神」と呼ばれる血筋のことや宗教的なこと、革命が勝ち得た「自由」の価値観が上手く描かれていない気がして、そこは東宝作品としてどうなのかなと気になったのですが良くも悪くもあいまいな日本人らしいまとめ方をしたなという印象を受けました。バスティーユの恋人たちって表記は宝塚用だと思っていたのに。

まあこういうところが本当にイケコらしい。

一方でビジュアルを最大限に生かしたキャスティングで、テニミュ出身の方が加藤さんはじめ4名、宝塚から3名プリンシパルキャストにいたのはとっても良かった。

ロナンが主人公の作品ではありますが、プレビューの時点から数少ない女性キャラが全員しっかりと描かれ演じられていたので、「おい、こらテニミュ!!」という気持ちになることもしばしばありました(苦笑)ビジュアルがきれい、佇まいが美しいというのは大きな加点なので、特に歌の実力をもっとつけてもらえるとありがたいです…RJも見に行くので頑張って。

イケコ的には同時期にるろ剣(宝塚雪組)も演出していて、そちらにもふんだんに映像があり、映像効果が今やたらお気に入りなのは分かった。イケコの新しいおもちゃ(後ろにそびえている可動式パネル)が大活躍。しかし役者さんがのるとがんがん音が響くのが気にはなったけど、映像とロックテイストな楽曲があっていたのでよし。

幕での演出は少し平面的すぎるような印象を受けましたが、人が吸い込まれていくように幕を閉じる瞬間は息を飲むようなこともあったので、この作品においてはまあありかなと回数を重ねるごとに思いました。

クロバットは悪いとは言わないけれど、普段シャニーズさんで見慣れているのでとにかくレベル込みで中途半端だなと。気持ち的には若手赤坂ACTならほしいけど、帝劇ならなしでも華やかに出来たかなあという感じ。

教会でロナンとオランプが出てきて歌うところに白い象徴のダンサーが出てきた瞬間、完全に隣と劇場間違えているなこいつ。って思いましたし、サイラモナムールの終わりで一斉にキスし始めるのは逆に綺麗に揃い過ぎてて不気味でしかなかったりしましたが、やっぱりビシュアルと衣装センスの良さ。いわゆる形式美部分の演出のイケコはいいなあという感じでした。

ライトな観劇に向いた作品で、客層を意識してか分からないけれど予備知識なしに楽しめる作品だったなと思います。私は物足りなさがあったけど、もっと1789で抉った部分が見たかったら演出家を変えろってことなのかもしれない。

 

以下役ごとに少しずつ

ロナン(小池/加藤)

確かに芝居も大事だ。集客も大事。歌だけ言ったら小池くんのほうが伸びやか。

でもそれは身長を10センチ伸ばしてからの話な!?っていう感じで、ご本人の芝居云々の前に周りとのアンバランスさが際立ってしまってイケコ式の長身組とは全然相容れてなかったなと。これは、イケコが絶対悪いんですわ。

あとノーヒールだったので、インヒールであの激しいダンスをこなせるぐらいのダンサーさんならばまた話も違うのかもしれないです。

連れ去られる宇宙人感がどうしても気になってしまった…

一方加藤ロナンの得体のしれないヒーロー感。武骨で兄貴で不器用なロナン像はこれだー!!(見た目的にも芝居的にも)という感じでした。宝塚版で龍を配した役をこんながっちりした感じの人がやるの?とか思っていたけど、ロナンに欲しいのはきらめきや爽やかさよりも断然素朴さでした。当たり前なんですけど東宝版をわざわざ見に行くのは生々しい男の人のそのものの芝居が観たいからなんです。

ロナンソロにオランプの声のかかる「神のいたずらーに」の辺りまでで、ロナンがオランプに惚れてるのがわかるんですよ加藤ロナンは。惚れて振られて傷つきながら歌っているのでぐっとくるものがありました。オランプのセリフに不器用だけどまっすぐにしか生きられない。あなたもそうでしょ?みたいなニュアンスのがあるんですけれど、加藤ロナンはまったくその通り。生き方が上手くない。

 

オランプ(神田/夢咲)

これは単純に好みですね。

凛々しくオスカル的な要素を持ち合わせる神田オランプか受け入れるロザリー的な要素を持ち合わせる夢咲オランプか。

おそらくフランス版に描かれているであろう芯の強い、きっぱりとした女性が神田さん。

最後の最後まで一歩引きつつ、周りを立てるのが娘役出身の夢咲さん。

歌は神田さんのミリのずれも許さないような歌唱がすごく好きだったけれど、ロナンとの恋愛の駆け引きにおいては夢咲オランプの芝居がよかったです。

アントワネット様との別れの一瞬においてすごく入り込んだ芝居が見れるのは夢咲オランプでした。花總さんとは同じ舞台に立ったことはなくても、凰稀さんとの並びには懐かしさもあるので(確か星組最後は夫婦役をしていたはず)

単純にはっきりとした女性の象徴としてソレーヌがいるから、目に見える凛々しさより奥ゆかしさのある強さを求めたのかもしれないです。

 

アントワネット(花總/凰稀)

宝塚2001年宙組フェルマリ編見たことありますか?

水彩輝のオスアン役替わりのやつ。あれをDVDでみてからというものいついかなるアントワネットを見るときも花總アントワネットが離れない。

ぶっちゃけるとエリザよりアントワネットの花總さんのが好きなんです。

輝かしさからの没落。恋愛部分でも情熱から冷静へ。1789で断頭台の直前とおぼしき衣装とおかっぱのカツラを見た瞬間に涙腺崩壊しました(9日プレビュー)ああ、本物のアントワネットがいる!っていう感じ。

オランプを送り出した後に決意の歌があり、鏡が四方に張り巡らされた空間。鏡にはギロチンが映し出されていて、その中にまっすぐアントワネットが向かっていく。その時の背中。ギロチンの効果音と暗転。ここが1,2を争う好きなシーンでした。

凰稀アントワネットもこれはこれで面白くて中々にはじけとんでいたけれど、まだ女性を演じようとするてる自身が見え隠れしていたのでうーん。プレビューしか見られなかったのは諸事情あって申し訳ないけど、歌唱力はうーん。でもビジュアルはとても良い。花總さんのアントワネットは一つずつ次に積み重なる感じがあるのですけれど、凰稀アントワネットは波乱万丈さが一層際立つ感じでした。

 

ロベスピエール(古川)

今回通わざるを得なくなった原因!

ビジュアルとダンスがとても良い。1789はかなりダンスの比重も多かったので、ソロなどはずっと彼を見ていた。強さのあるルドルフもよかったのだけれど、金髪ロングは反則だろうと思います。衣装の着こなしもよくてすごい数のチャックのある衣装を綺麗に翻していたのが印象的でした。 三部会で人形に扮する演出があって、ラマールに自在に動かされた後ふっと首を自分で戻す仕草が色っぽかったり、ロナンがよじ登ったぞ!っていうところでのデムーランとの謎の起き上がりこぼしっぽい振付が変に色っぽかったり、ペイロールに踏みつけられる姿が本当に色っぽかったり!!色っぽい革命家ってどういうことだよっていう自問自答を重ねながら見ましたが、大変美しかったです。

ペイロールが踏んだ瞬間、あ、帝劇ルドルフは踏まれてないから(宝塚版は踏まれて転がされる)古川くんも踏ませたかったのかイケコ!わかってるー!と思ってしまった。

歌は回数を重ねるごとに合格ラインに達していたと思うので、ルドルフもロミオも楽しみにしています。

10日のソワレは肩が脱臼してしまった瞬間を見てしまい、びっくりしましたが最後まで無事終わって良かった!

 

ここからはさらっとまとめて

デムーラン渡辺大輔くん。なんかもう兄弟の歌やらしょっぱなの歌がどうしても苦手らしくて毎回一幕終わるとおい、お前!呼ばわりだったけど(苦笑)最後に見た時には1か月かけて成長してきたのは若手らしいというかこれがテニミュ芸なのかな?と思ったり思わなかったり。

ダントン上原さん。みんなが歌を外しても揺らがないダントン。革命慣れしすぎて風格のあるダントン。でもダンスはすっげー顔で踊りながら幅をとりまくるダントン。シャルロットとの歌も愛らしくて好きでした。ダントンいいよね。

フェルゼン広瀬さん。ザ・イケメン顔。佇まいも2.5次元よりというか宝塚の男役のようなマントさばきでした。熱量の増し方を見るにやっぱりプレビューでは全然マックス出せてなかったのかというのが回数みた感想です。戦隊物のレッドもブルーも出来そうな出で立ちが今後楽しみ。

アルトワ伯吉野さん。ベテランってこういうことだなあ…っていう感じで安心出来た。でも耽美要素はメイクではもっと控えてもこの方の芝居で十分わかるからなあ。重複くどいなあイケコ。って思っていた。

ペイロール岡さん。ベテランってこういう(以下略)

宝塚版の星条に近い役作りだったんですけれど、どうしても女性の声帯にないおじさんのだみ声歌唱が楽しみで仕方ありませんでした。がーをぐぁああって伸ばすような何とも言えないだみ声を聞きに行っていました。ソロ曲とか込みで実はかなり好きなキャラクターです。

ソレーヌ、ソニン。泣きにいってしまう時は感情が乗り切らなかったりする時もあったんですけど、わりと落ち着いて見れました。東宝で追加になったパン屋のところはとても良くて、パワフルな女性は見ていて気持ちがいいなと。

ラマール坂元さん。歌の安定感すごくいいですし、コミカルなお芝居も上手い。場が乗り切ってないときは上げてくれる。楽しかったです。三部会のシーンで各役の真似をして歌ってくれるんですけど、ロベスピエールになると艶めいた声出すの本当に面白かった。

ただ、私はエリザのルキーニのキッチュのアドリブすら不要と思うぐらい一本にのめりこみたいタイプの人間なんで、そういう時には何回か邪魔だなって思いました。役が!別に役者さんの問題じゃなくて、イケコが作るときにどう構成したかの問題で流れがイマイチだなって思うシーンがあったのは確か。(最後のオランプとのやりとりとかね)

笑い要素は大事かもしれないけど、それが1789のキャラクターの心情を描き切れてないところにもつながってないかな?とふと疑問に思うことがあったので書き残しておきました。大体がイケコのせいです。役者さんの問題で言いたいときはもっとチクチクいうから。

 

これで1789書き切ったかな?4回も行った割にとても稚拙でまとまりのない感想になりましたし、何より最初に見てから約2か月たってしまいました。ただどうしても回数見ても全く分からなかったことだけ最後に書いておくことにします。

 

サイラモナムールで突如我が物顔して現れるロベスピエールの彼女(仮)何しにきた?