「俺は」夢を売る男。@オーシャンズ11
4月20日、5月5日、7日と宝塚大劇場まで行ってマチソワ(新公含む)してきた。
7日には宙組風共以来5年ぶりに新人公演を拝見して、なんとも懐かしい気持ちを思い出した。
この作品は初演から全て見ていて、縁があり、悔しくもある作品。作品の質ではなく、個人としてあまり良い思い出がないので、桜木ベネディクトと新しい思い出を作りに行こうと思って遠征するに至った。
オーシャンズって過去イケコと配役でもめてぶちぎれてきた作品なので疫病神にならないよう気を付けたい
— 菜都希 (@th07th) 2018年12月15日
今回のオーシャンズ11は2011年の星、2013年の花を経ての3回目の再演。
宙にははまりたてだが、初演から通っている作品の1つなわけで、幕が開く前からの情報量は多かった。
私は若翔くんは体型選抜だと思っているのでベネディクトは絶対に夢を売る男中に乗ると思っている。
— 菜都希 (@th07th) 2019年4月10日
私がオーシャンズで確認することは歌唱指導、若手場面はどうなるか、エトワール、ブルーザにのるかどうか、テスのエコプリンセスの衣装の色、マイクの髪型、バシャーの曲、二幕頭とガウンベネディクトの有無ぐらいかなあ?みんな好き勝手いうからそろそろ忘れそうなのでメモした。
— 菜都希 (@th07th) 2019年4月13日
まあこんな調子で基本的に変更点予想は当たった。バシャ―のソロも歌唱指導もラスティだった。そして本編の新曲はオーシャンズ10だけだった。まあイケコが同時期にロミジュリとエリザをかかえていることは分かっていたから外部からの逆輸入とはいえ曲が増えたのは嬉しかった。6月からのエリザには変更点があるらしいと小耳にはさみ、複雑な気持ちになるのは私だけかな!?
この他の大きな変更としてはラスティの比重をあげること、ライナスはじめ学年とキャラクターにあったアプローチにすること、ベネディクト・ダイアナ・テスの関係性の整理(台詞の変更あり)フィナーレ全般ぐらいでした。しかもセットも花から骸骨の箱が消えたぐらいで大体一緒だし、ロマノフの秘宝がナイチンゲールにマイナーチェンジしたぐらいで、星→花の時ほどは変わっていないかなあと思った。
真風の苦みと余裕のある男役像がすごくいきたダニーとその相棒でチャラいところは否めない芹香ラスティは「相棒」感が今までで一番感じられた。星風テスは今までで間違いなく一番歌が上手いし、リピーターの耳に優しい。そして内面の葛藤を押し出した研10にして研2ビジュアルの和希ライナス、見たことのない新境地に挑戦する大劇役ソロ初の瑠風リビングストンほか11メンバー。大劇役ソロ1曲がはじめてなのは桜木和希もかな?初日明け20日にみた時から全然そうは見えない出来でした。
若手の優希・鷹翔モロイ兄弟も歌が安定していてよかったし、新人公演も安心して見られました。声も安定しているし今後が楽しみ。とりあえず歌が上手い宙新人公演をはじめてみた感動をお伝えしたい。
澄輝・蒼羽・純矢の今まで宙組を作ってきたメンバーが抜けるというのもとても寂しくて、でも客席もそれは一体となって思っているのかなという感じ。フィナーレの階段降りの拍手や本編登場時の拍手がすごい。
JUMPの時に和希ライナスにエースのカードを渡す澄輝フランクとかラスティの「俺もポーラにプロポーズ」の後にオフマイクで「俺も新しいことはじめよう」っていう蒼羽バシャ―(20日は言ってなかったから中盤から追加した模様)とか 本当に涙が出てくる。
和希ライナス絡みでいうと、寿ソールという宙組の魂から「跳ぶんだ」といわれるのが殻を破る時期の研10和希なのは妙に納得した。配役を見た時に学年的には研10で少年っぽい役くる!?と思っていたのでイケコの意図を測りかねていたのだけれど、バウもして一段とスタイリッシュになったところに和希の原点である少年役を当てることで「和希そら」の本質をブラッシュアップしようとしているのかなみたいな理解をした。そしてその声を掛けるのは宙組の魂である必要があったわけだ。
というのも凛城ソールが見たくてたまらなかったので(Twitterで騒いだはずなのに見つからなかった)実はあールーベンか。なんて思っていた時もありました。でも和希ライナスとの関連性しかり舞台でのルーベンのマスコットのような愛らしさしかり納得した。最後の方の変装のところの「さーせん、通りやす」と着ボイスにしたいひと絶対いるよね。
は、愛ちゃんベネディクトじゃないの?まさかのずんちゃんなの?
— 菜都希 (@th07th) 2018年10月18日
そして11の敵、この遠征の本当の目的桜木ベネディクト。
演目発表時はライナスとかでもおかしくないような感じだったし、妥当なところバシャー、フランク、リビングストンかななんて思っていた。まさかとか言ってるあたり、まあファンになる前のオーシャンズオタクとしての戯言なんですけど。
一言でいえばかっこよかった。前任の望海さんがこの役で大劇場の役付きがステップアップして今に至るのを多くの人は知っているわけで、というか当時花担な私は死ぬほどよく知っているわけで、プレッシャーは大きいと思うし今もあると思う。泥水すすって生きてきたようにはならないと思っていたし、望海さんの劇画調の芝居と似たところがないのは望海さんを十分に見た側からすると分かり切っていたので、でもじゃあどうするかというと桜木ファン研1なので分からない状態で観に行った。
私もお二人をなぞるのではなく自分なりの色で染めていきたいですね。お稽古の中で小池先生が新しいエッセンスを加えて下さっているので、お客様にもまた違った見方をして頂けるのではないかと。
このパンフレットの文言を読みながら、何を加えたか分かればいいけどという不安で一杯になった。役者のプレッシャーじゃなく自分の理解力への不安なのはさておいて。
新しいエッセンスは簡単にまとめると、ダイアナとの関係の簡略化(ビジネスパートナー感を出すためにファーストネームを呼ばない)、テスはのし上がる手段でもあるけれど一応女性としての認識はあり恋愛要素がある(キスシーンが増えた)、スーツが青、ベネディクト側もチーム戦(ラストのネバーギブアップの一言)といったところ。
青系スーツのおかげかスタイリッシュでむやみやたらに努力はしないけれど切り替えも早い頭のいい人な印象。黒塗りも初日近辺やスチールではかなり濃かったけれど、現在は少し濃いかなぐらい。髪型も二本の短い束があったのが、多めの一本の束が降りる仕様になっていてかっこいい。
おすすめシーンは若テス登場前に呼びに来た美月テーラーを顎で使うところと夢を売る男のラストで暗転前に「俺は夢を売る男」(取り出した指輪にキス)とですかね。一幕終わりの「JACKPOT」と耳にささやくところ(一瞬だから見逃すな)二幕のテスの部屋でのキスを拒まれた顔、「ナイチンゲールだ、はばたくぞ」の無邪気な顔ですかね。多いな。
あとは宙組の環境で前任二人よりもスポットライトに近いところにいたジェンヌとしての育成環境の違いはやっぱり役にも出ていて、おもしろかった。
ジェンヌの育て方論みたいな話しちゃうけど前二人が血の滲むような這い上がり(タイプはちがうことはわかってるがあえてまとめる)をみせたのに比べて、今回のしあがった感じは薄いなあとは思った。よくもわるくも。努力してないとかではなく評価の具合の話。それを生かした出来る男感のある役作りだった
— 菜都希 (@th07th) 2019年4月20日
あと前は登場から悪人オーラすごくて本当にテス好き?って感じを受けてたから、今回はテス好きなんだあ!みたいな謎の発見がある。ダニーに指摘されてから悪人かしら?って思う感じでテスと同じ時系列で芝居をたどることができる。
— 菜都希 (@th07th) 2019年4月20日
とりあえずイケコが宙組版に加えたエッセンスはなんとなく読み取れたような気がしたので、あとは東京公演での変化を楽しみにしたい。
後フィナーレのリップ濃くない!?問題については引き続き検証していきたいなと思っています。
それでは今から美弥るりかと最後の邂逅をしてまいります(夢現みにいきます)