白シャツを恋い慕う

つれづれなるままに…おたく

ペダステにゆるっと行ってきた話

先月末、初めて2.5次元舞台を観劇してきました。

ジャニーズとヅカを通ってきているので、漫画原作を見ることがなかったわけではないがジャニーズもいない所謂若手俳優さんのみの舞台は初めてです。

 

弱虫ペダル」を原作にした通称ペダステはその道の第一人者「テニミュ」出身の方が多いらしいということとステージには自転車が出てこないということ、そして新世代編と称して多くのキャストが入り原作でいうIH1年目終了時からを描いていくらしい。というわずかな事前知識とペンライトあるといいよ!みたいなツイートをみかけたのでジャニーズ版キンブレっぽい公式ペンラ(Jr担なら知ってるガムシャラのあれ)をとりあえず持参した。

原作を何度も読んでいる身として、舞台版を見に行くというのはすごく勇気が要ったのだが、よっぽどひどければ8作も続かないだろうと思ったのと峰が山ヒルクライム(私が原作で1,2を争う好きなシーン)みたいという欲求に負けた。

 

チケットの取り方も勿論ジャニーズとは違う。大量の抽選メールor振込用紙ではなく、ローチケ以外にもいくつか先行があった。無事捕獲できたので良かったが、プレミアム席一般席以外に括りはなかったはずが、一般発売に乗じて見切れ席、立見席(椅子付き)立見席(ただし値段は一般と同じ)と続々チケットが出てくるところに売りたい気持ちが見えて悪い気はしなかった。

見切れも警告してこないジャニーズさんよりましなのか見切れと称して値段下げてくる一般舞台と比べるのが良いか分からないがとりあえずこれは2.5の文化みたいだ。(すぐにテニミュ公式を確認した)

 

いざ、観劇にいくもKAATは初めての劇場で、そこに原作も殆ど予習していないミュオタの友人に「未来の城田優とか古川くんがいるかもしれない」(彼らが出たのはテニミュであり、ペダステではない)とよく分からない誘い文句で同行をお願いした。会場前には舞台版を記念してデコレーションされたローソンがあり、写メしまくった。そして半ば社会科見学のように、ペダステデビューをした。

一階には人だかりが出来ていて「え?何?楽前なのにグッズそんなに並ぶのか!?」と興味本位で近づいたらグッズの交換のエリアだということがわかった。

個人のブロマイドはあるものの、缶バッチやキーホルダーなどはランダム封入のようでびっくり。推しキャラないし推し俳優さんのために交換しなければならないようだ。絶対ジャニーズでは出来ない。あとグッズ列以外にも売り子のお姉さんが缶バッチを売りに来ていて、プログラムとかではないんだ?と三度見した。

とりあえず記念に応援している総北のアームリフレクターだけ買ってみた。

 

客席に入ると新しい会場なのがよくわかった。見下ろす体制がしっかり出来ていて、3階センターからでも全然問題なさそうだった。ただ、スタンディングでもないしすし詰めでもないのにやたら熱気がすごい。舞台の曲が流れてくると手振りをやっている人も結構いた。M0が上がると同時の拍手は舞台というよりライブの方が近かった。

 

セットは終始後ろの方の道と回転する台。吊られた自転車2台と真ん中には自転車とおぼしき大きなモチーフ。盆は回らないし、フライングもないのだが、坂道になった台をキャストが一生懸命動かして空間を作っていた。後ろから後光が差したようにみえる照明が好きな演出家さんのようで、後ろの灯体が大活躍だった。ジャニーズでは滝沢くんがいにしえの時に後ろから光を当てられてるのは見たことあるけど、あまり使われていないと思う。

 

とりあえず休憩がない!ぶっ通しで続く舞台は、ライブ参戦並みの体力を使う。走っている方も今回は全面レースのシナリオではなかったものの、本物の汗が滴るぐらい熱気あふれていた。レースの終盤はみんな台詞が大絶叫。所々聞こえない所もあるけれどマイナス点よりレースのリアリティ的な感じに受け取ることが出来る。終盤には自転車もきっちりみえてくるから不思議。

勿論全員が全員上手いとはいいがたいし、ちょっと?って子もいたけど作品の魅力が一生懸命に走りぬく少年たちの話なので他で見るよりは気にならなかったかもしれない。それぞれのお話のメイン所と総北信号機がしっかりしていたから安心して見れたのもある。

2年として小野田くんが登校してくるところからはじまり、3年の手嶋さんがキャプテンとして声をかける。一方箱学は追い出しレースの抜粋をコメディたっぷりにやってくれた(この追い出しレースも大好きなシーンなので一本通してみてみたい)物語は回想につながりT2の2年時のお話しを一通りやり、巻島が渡英したショックでスランプな小野田につながる。そこから鳴子がスプリンターを辞める話(実家に帰り御堂筋と対決する)と峰が山ヒルクライム、1年生ウェルカムレースと三本のレースを中心に原作の名台詞が飛び交っていてなんとも濃かった。

峰が山で小野田が走り始めるとセット上のモチーフ自転車がかちっと組み上がる演出はとても好きでした。

いないキャラの台詞も可能な限り使ってくれるし、原作を大事にしているんだなという雰囲気が伝わってきました。100%受け入れる訳じゃないけれど、あのセリフを聞きたかった!このシーンをみたかった!というのを中々叶えてくれる空間でした。

本役としては慣れている役者さんとほぼ初めての仕事であろう役者が組んで芝居をすることが多く、別役のアドリブシーンになると上手い子しか出てこないので軽快で楽しかった。役者さんは主演に至るまでキャラと街の男Aみたいな役を兼業していた。鳴子の実家で出てくる個性豊かなおばあちゃん(輝馬さん)おばさん(小越さん)兄弟(河原田さん、太田さん)はまだ人であったけど、T2が2年生の合宿リタイアするファンとしてはぐっとくるところで飛び回る蛾(兼崎さん)VSサンダルではたく自動販売機(椎名さん他)が繰り広げられていてシリアスクラッシャー以外の何物でもなかった。

まだ人ではあったもののおばあちゃんたちは遠慮も容赦もなくぼけるから、鳴子(鳥越さん)が子供の兄弟に向かって「お前らええ大人やろ!あ、違う。なんでもない」って言った時には笑いつかれていた。ひいひい笑った。

そこからシリアスな自分の進退をかけた自転車レースの雰囲気に一人で立て直したのをみて、この鳴子すげえと思いました。出てきた瞬間化け物な御堂筋は漫画の中の人みたいだった。次元をまたいでいた。

登場から小野田の小越くんのアニメからでてきたようなポップさは作品の導入として入り込みやすかったし、顔は全然手嶋っぽくない強い顔だった手嶋の鯨井さんは2年時のずる賢い小物感とキャプテンとしての顔を上手くつないでくれてこれはこれでお芝居として面白いなと思いました。顔が強いというのもあって(笑)漫画から受けた印象そのものではなかったけれど、ちゃんと成立していたなと。生のティータイムとチョコレートココアは好きか?を聞けて嬉しい!佇まいが美しかったのもすごく手嶋っぽくて嬉しかった。

あと、原作では生意気さが有り余って好きになれない鏑木を元気で少し生意気な鏑木に演じてくれた椎名さんは上手いなあと思ってみてました。今泉の太田さんもシナリオ改編で本来なら鳴子がつっこんでくれるところを一人でスカさず熱く演じていて、この今泉のゴール前みたいなあと思いました。顔が綺麗で本当今泉だった。

多分つぶやいているので細かいことは割愛する。

 

とりあえず、思いたったら行動してみるのも悪くないです。

カーテンコールでは小野田のテーマソング、ヒメヒメをみんなが踊ってくれるので、ペンラとアームリフレクターで応援。去年の夏に黄色ばかり使ったので若干色が出なくなりつつあるペンラをつけて満喫してきました。

同じく初見の友人も全然メインの話がない(むしろ役者さん的には別役のが比重が大きそう)泉田に謎のはまり方をしたので、1舞台として楽しい作品になっていると思いました。

ペダステ、次回作も見に行こうと思います!